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苦あり、でも楽もあり イタリアマダムに聞いた移民ライフのススメ

そろそろ仕事を始めて一年になりました。

同僚の中で一番仲が良いのが、イタリア人のシモナ。
め~っちゃくちゃ喋るので、みんなに「シモナのマシンガントークには気を付けろ!」って言われますが、超いい人で大好き。
仲良しの同僚、といっても彼女はもう60歳。

30年以上前からフランスに住んでいる、いわば移民の先輩です。 

ブリオッシュを焼きすぎちゃったり、タルトをよくひっくり返してたりと、失敗大王なのですが、イタリア人らしい人懐っこさでなんだかみんな許してしまって、全てをチャラにさせてしまうすごい能力の持ち主。朝お店に着くや否やシェフに「今日は何をひっくり返すんだ?」って突っ込まれています。

 

誰にでも親切な人だけど、とりわけ外国人な私を気にかけてくれている感じがするのですが、その理由は

「何十年フランスに住んでたってね、やっぱり私は外国人なのよ。」

自分は移民だ、というアイデンティティがあるので、同じく移民な私に親近感があるのかもしれません。

移民って言ったって、イタリア移民。私らのようなアジア人とか、全く宗教が違う人が移住してくるのと比べたらよっぽどなじんでるんじゃないの?
と思ってたんですが、それでもたま~に「イタリア女って我慢ならないのよ!」なんて言われたこともあるらしく、やっぱり移民は移民。という意識みたい。彼女は必要ないから、とフランス国籍は取っていません。

ちなみにシモナのお子さんは会社員と外科医をしていて、普通にフランス人。今では孫もいてすっかり良いおばあちゃんをしています。

 

私と家が近く、勤務時間が被ったときは車がない私をよく送り迎えしてくれるのですが、その車の中で、よく彼女の半生を語ってくれます。(時々夫婦げんか中継もあります)

イタリアで出会ったフランス人男性と若くして結婚。スペインや北フランスで二人のレストランを経営し、最終的にコートダジュールに移住。10年間ほど海沿いのホテル・レストランのオーナーをした後、そこを売り払い、自分の家を建てて、販売職などをしながら現在に至るシモナ。

フランス語がまだ話せなかった時代、初めてレストランの接客をしなくちゃならなくなった日のことや、在仏10年目にしてちゃんとフランス語を書けるようにするため学校に通った経験、経営していたホテルを売り払った日の事など、聞けば聞くほどシモナの歴史がいっぱい詰まっていて、ちょっとじーんと来たりします。

そんな中でも印象深いのが彼女の根性。
約15年前、経営していたホテルを売った後の事。
これまでのオーナー生活から一転してパン屋さんの販売スタッフに。
そして「今後の生活を考えると、もうちょっと収入が欲しかったの」という彼女。 

自宅の近くの学校前に、小さなアノンスを張ったそう。
「真面目なイタリア人女性です。お部屋のお掃除いたします」

femme de ménage(掃除婦)です。
その日のうちに問い合わせが来たらしく、そこからダブルワークの日々。
朝5時からお店に立ったあと、夕方から夜にかけて、いくつかのお家の掃除に。

「初めてお金をもらった日は嬉しかったわ~!もうこれは自分だけのことに使おう!って思って、美容院に行ったり、ネイルしたりしたの。でも結局は家族のために貯めておくことが多かったけどね」

体力的にきつくなってきてからは掃除婦はやめ、自宅でアイロンがけの仕事をするように。これまでお掃除をしていた人たちからの口コミで仕事を取ってきたそうです。
旦那さんがお客さんのウチを回って洗濯物を回収&配達。
夫婦2人で頑張っていたわけですね。
ちなみに旦那さんも定年後も庭師さんとして仕事を続けています。

こういう話を聞いて、私も頑張らなきゃな~と。

すごい偏見ですが、日仏カップルというと旦那さんがアジア事情に精通する文化人で奥さんはパリで優雅にお茶、みたいなイメージが強く(自分は全然その例に当てはまってないくせに)、仕事を掛け持ちしたり、掃除婦をしたりなんてアイディアは浮かんだことがありませんでした。でも、苦労を買ってでも家族の良いように、と頑張ってきた同じ移民女性を目の当たりにすると、そうやって日々頑張ることがとても尊いことのように思えたのです。

私はというと、まずは仕事後に通っている学校や今後の目標に向けてやるべきことは、言い訳せずにちゃんとやろう、とカツが入った感じです。

体を張ってでも家族のためにできることをやりつくし、疲れているだろうけど、それでもいつも豪快に笑っているシモナ。人生を自分で切り開いていく覚悟が感じられて、キラキラしています。

大変だった時代の話を聞いているから、今、コートダジュールに自分の家を持ち、家族が仲が良くて、かわいい孫がいて・・・という現在のシモナを見ると、なんだかとても嬉しい気持ちになります。

というわけで、イタリア移民の話でした。ふらんぽねーずの私たちも、時にはフランス生活でうまくいかないことがあったり、先行きに不安を感じることもあるけど、家族やパートナーとできることを一つ一つ着実にやりつつ、自分の人生を切り開いていけたら、それはとても幸せなことかもしれませんね。

投稿者プロフィール

みきてぃ
みきてぃ
ワーホリ、留学を経て仏人の夫と結婚、2012年からコートダジュールの小さな町に住んでいます。地中海生活という華やかな字面とは裏腹に、夫の同僚からは「君たちじいさんばあさんみたい」と評される質素でローカルな暮らし。食べることに情熱を傾ける私と夫、ゼロ歳児の息子の3人家族。現在は近くの村のパン屋さんで働きつつ、近い将来翻訳を仕事にすることを目標に修行中。自己満足を追求し楽しく生活する中でのあれこれをつづってみたいと思います。
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みきてぃ

ワーホリ、留学を経て仏人の夫と結婚、2012年からコートダジュールの小さな町に住んでいます。地中海生活という華やかな字面とは裏腹に、夫の同僚からは「君たちじいさんばあさんみたい」と評される質素でローカルな暮らし。食べることに情熱を傾ける私と夫、ゼロ歳児の息子の3人家族。現在は近くの村のパン屋さんで働きつつ、近い将来翻訳を仕事にすることを目標に修行中。自己満足を追求し楽しく生活する中でのあれこれをつづってみたいと思います。

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