今週末はバレンタイン。
日本では「週末だから職場で義理チョコ配らないでいいや、ラッキー」なんて声も聞かれますが、みなさんはどうお過ごしの予定でしょうか?
今回は、日本とこんなに違う!フランスのバレンタイン事情をお届けします。
日本とこんなに違う!フランスのバレンタイン事情
2月14日の仕事帰りに、愛しい彼女に花束をプレゼントしようと近所の花屋に立ち寄った彼はビックリした。
「だって、客が男ばっかり、行列してるんだよ?近所の花屋で、行列なんか見たの初めてだよ。俺の後から来た男は舌打ちしてメルドゥ(くっそ!)って言ってたよ」
近所のちょっと雰囲気の良いレストランは、満席で全テーブルがカップル客。
「ここも1週間前に予約しておいて良かったよ。・・・独り身の頃は、バレンタインなんて商業主義のお祭りで、こんなマーケティングに踊らされるのはばかばかしいって思ってたけど、カップルになると張り切っちゃうもんだね」
と照れながら言うスウィートな彼は、その後、お会計時にサイフを忘れたことに気づく。
「いや、今夜は君に払わせるわけにはいかない。(店員さんに)うちは歩いて5分だし、このマダムを人質においておきますから、サイフ取りに帰ります。いやぁうちが近所でよかった」
パーフェクトにロマンチックなバレンタインにするのはなかなか難しいということを、この夜、彼は学んだようである。
そんなわけで、フランスのバレンタインとは。
- 女性が男性にチョコを贈る日ではない
- この日に「告白」はしない
- 義理チョコ・友チョコ、ホワイトデーは存在しない
- そもそも、チョコレートの祭りではない!
フランスのカレンダーには365日すべてに聖人の名前が当てられています。2月14日は、聖ヴァランタン( Saint Valentin )。ローマ時代に結婚を禁じられていた兵士たちのために結婚式をおこなったというこの聖人の逸話がバレンタインの由来として知られています。
キリスト教のお祭りなら、さぞかしフランスは盛り上がっているのだろうと思われるかもしれませんが、実はそうでもなく。なんだか、日本のほうがよっぽど国を挙げて盛り上げている感じがします。
なぜなら、この日は男性が、恋人(妻)に、プレゼントを贈る。2人で、オサレなレストランで食事をする。カップルのための日なのです。
つまり、お一人様は男女関係なく参加すらさせてもらえません。
この日に告白する、という習慣もありません。
お一人様(フランス語でセリバテールという)の頃はバレンタインのことを「商業的でくだらない」とこきおろすくせに、カップルになると嬉々として張り切ってしまう、というのが典型的なフランス男性なのかもしれません。ああ、愛の国(笑)。
日本だとバレンタインといえばチョコレート。
バレンタインと聞くとチョコが食べたくなる。ちょうど一番寒くてチョコが美味しく感じる時期ですよね。
フランスでもショコラトリー(チョコレート屋さん)はバレンタイン仕様のデコレーションをしたり、がんばってますが、チョコの祭りとしてはいまいち盛り上がりに欠けます。
フランスではクリスマスとPaque(3月末頃)が伝統的にチョコを食べる時期。2月14日はちょうどこの二つの期間の谷間なのです。それに友チョコも義理チョコも存在しません。フランスのバレンタインで、チョコレートはあくまで「プレゼントの中の選択肢のひとつ」というポジションです。
老舗ショコラトリーで見た信じられない物体、カーマスートラ風浮き彫りのエロいチョコ。食欲が減退しますね・・・彡(-_-;)彡。
バレンタインの過ごし方は・・・?
日仏カップルのふらんぽねーず達にバレンタインの過ごし方をインタビューしてみました!
定番は、なんといっても花束をプレゼント+レストランで食事です。「特別なことはしないけど」と言いつつ、この定番はきっちり押さえているカップルが多いようですね。中には彼が手料理をふるまってくれる、という人も。自宅でゆっくり食事するのもフランスのバレンタインの定番。羨ましい!
プレゼントは花束に限りません。ランの鉢植えや観葉植物といったお部屋の彩りになるプレゼントで「2人で愛を育む」カップルも。Zen(禅)なインテリアとしてフランスでも人気の盆栽をプレゼントにもらったふらんぽねーずもいました。でも、やっぱりお手入れが大変で枯れちゃったとか。鉢植えは枯らしちゃうからNGという意見もありました。
また、外人は彼女にランジェリーをプレゼントするという話がありますが、伝説ではなかったようです。実際に彼から下着をプレゼントされた、というふらんぽねーずも実在しました!しかしサイズが合わずにタンスの肥やしになっちゃったとか。やはりロマンティックは難しい・・・。
ふらんぽねーずではないですが、私の友人のフランス人カップルはずばりラブ・グッズをプレゼントしてもらい(彼女のほうから商品指定あり・笑)、その夜は新しいプレイを試しちゃったらしいです。バレンタインを活用してるなぁ・・・。
日本人女性ですもの、バレンタインにはケーキ焼いたりチョコをプレゼントするのもあり。遠距離恋愛中にフランスにいる彼にカードと一緒にチョコを送ったという素敵なエピソードも。遠距離でも上手くいくカップルは、やはりマメに愛を伝え合っています。
日本滞在歴の長いフランス人ダーリンがすっかり日本人化していて「バレンタインは女性からチョコをもらう日」と主張する、というふらんぽねーずも。この場合、ご主人には日本の伝統にのっとって、ホワイトデーに3倍で返していただきたいですね☆
ふらんぽねーず達の回答をみると、「特に意識はしてない」、「もうすぐバレンタインだってことを忘れていた」、「プレゼントや外食はするけど毎年ではないし、今年は何もしないかなー」といったクールな意見が多かったです。なんだか分かる気がします。だって基本、女性は何もしなくていいイベントですからね。それに、こういう彼女(奥さん)は、きっと彼ががんばってくれたら素直に喜んじゃうんじゃないでしょうか。イベントに踊らされないのがフランスの愛され女子の秘訣?!
結論・フランスのバレンタインは、誰のためでもない、2人のためにある。
投稿者プロフィール
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フランス語・英語通訳案内士。
合計7年間のフランス滞在で、ワーホリ、語学留学、学部留学、美術館でスタージュ、修士号取得、フランス人とPACSなど様々な経験をする。2017年日本に完全帰国し、大阪市在住。得意分野は観光、文化芸術分野。旅と美術館巡りを愛する。そんなダリアの日常ブログはこちら。
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