フランス, 旅行
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フランス人も知らないジュベって何のこと?

 

以前書いた記事「ブルターニュで私が好きになったこと」でも紹介しましたが、私の趣味の一つに教会巡りがあります。そして教会巡りをするようになって知ったのがジュベ(jubé)の存在。ジュベは教会の内陣と身廊の間にある木や石で作られた仕切りのことで、聖職者と非聖職者(一般参拝者)を分ける為に12世紀頃から作られるようになりました。非聖職者(一般参拝者)の場である身廊は不潔、不浄 な場所として、神聖な場である聖職者のいる内陣と区別されていたわけです。

 しかし16世紀宗教改革の際、トリエント公会議(wikipedia)によって多くの教会でジュベが取り除かれるようになりました。現在残っているjubéは、パリでは唯一サンテティエンヌ・デュ・モン教会(St.Etienne-du-Mont)のみで、フランス全土でも51ヶ所しかありません。珍しいものなので、カトリック信者であっても多くの人が見たことも聞いたこともないかもしれません。

 下の写真はレンヌから西に150kmほど行ったところにある小さな村、プレロフ(Plélauff)のノートル・ダム・ドゥ・ラ・クロワ教会(Chapelle Notre dame de la Croix)のジュベです。ブルターニュには、フランスの約6割、20のジュベを持つ教会が残っています。パリに一つしかないジュベがなぜこんなにもブルターニュに集中して残っているのかと言うと、ブルターニュはトリエント公会議の影響を受けない小さな教会が多く存在していたからだそうです。ここのジュベは16世紀に作られたもので、木製の手の込んだ彫刻と、カラフルな絵がとても印象的です。

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このサイト(Chapelle Notre dame de la Croix)にて360度パノラマビューが見られます。

身廊側に描かれているのは天国と地獄、そして「7つの大罪」です。これまで聖人が描かれているものは幾つか見ましたが、「7つの大罪」がテーマになっているのは初めて見ました。7つの大罪はカトリック教会において人間を罪に導く可能性があるとみなされてきた感情や欲望のことです。ちょっと古いですがブラット・ピット主演の「セブン」という映画で7つの大罪がストーリーの鍵になっていましたね。とてもショッキングな映像が多かった為7つの大罪と聞くと怖いイメージが残っているのですが、ここに描かれているのは、絵本に出てきそうな絵です。カトリックの教えを文字の読めない人にも分かるように描いたのでしょうね。

左から「地獄」「傲慢を表す孔雀」「強欲を表す蛙」「色欲を表す山羊」「嫉妬を表す蛇」「暴食を表す豚」「憤怒を表すライオン」「怠惰を表す蝸牛」「天国」の順になっています。

そしてこちらはChapelle Saint-Fiacre du Faouët(ファウエのサン・フィアクル教会)。15世紀に作られたもので、歴史的建造物としてリストアップされ保護されています。こちらも とってもカラフルで、上部には十字架に架けられたキリストとその両脇に2人の泥棒、そしてその下にアダムとイブを思わせる裸の男女、更にぶら下がるように天使や人、動物の装飾が施されています。ブルターニュの小さな教会は外観はシンプルで目を引かないものでも、中に入ると貴重な遺産が残されているところがたくさんあります。ぜひみなさんも訪れてみて下さい。

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le Faouët St Fiacre jubé détail Adam & Eve

chapelle Saint-Fiacre, le jubé chapelle Saint-Fiacre, le jubé

投稿者プロフィール

loc-envel
loc-envel
留学したパリで縁あって仏人と結婚。約10年間日本で結婚生活を送った後、2012年にブルターニュへ移住。航空業界・旅行業界での勤務経験を活かし、モン・サン・ミッシェルとレンヌで日本人グループの通訳兼アシスタント業に従事。趣味は彫金、ジェルネイル、教会巡り、自然散策。訪れたブルターニュの教会は50超!?

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