引用:http://provence-ateliercreationdeco.blogspot.fr/2013/06/boutis-provencal-culture-meridionale.html
みなさんフランス刺繍って聞いたことありますよね?実は日本で一般的に呼ばれている「刺繍」のことはこのフランス刺繍のことを指すみたいです。今回はフランス刺繍とはまた違った伝統的なプロバンスの刺繍BOUTIS(ブティ)についてご紹介したいと思います。
ブティとは?
(別名プロバンサルキルト)17世紀以降に生地に刺し子や刺繍をして詰め物を施した南フランス(プロバンス、ラングドック地方)の伝統的な技法。ブティはプロバンス語で(詰める)が語源。今現在でもこの地域の女性の生活様式として出生、結婚式、死亡など人生においての一大イベントに使用されています。
ほら、よくベットカバーなどに使われているの見かけますよね?
ブティの歴史
ブティの起源はエジプトやインドから来たコットンヤードやインド布と関係があるといわれています。これらはアジア中近東との貿易交換が重要とされていたマルセイユ港に到着。これらの生地がフランスで発見された初めての場所がプロバンスでした。
一番古いブティとして知られているのが1395年シチリアでコットンとリネンを使用してつくられたトリスタンキルト。(中世の宮廷詩人たちによる騎士トリスタンと主君マルク王の妃となったイゾルデの悲恋物語をモチーフにしている)
起源はケルトの説話であり12世紀の中世フランスで「トリスタンとイズー物語」としてまとめられました。このトリスタンキルトは浮彫のような刺繍がほどこしてあり背後からライトを照らすと刺繍がくっきり立体でみえます。
「トリスタンキルト」は現在、一部がロンドンのビクトリア&アルバート美術館、フィレンツェのバルジェロ美術館に保管されています。
ブティの技法
2枚の薄手の白い布(おもにコットンやリネン、絹など)を重ねて白い糸で模様やステッチ(ランニング、バックステッチなど)を施す。
ステッチが終わったら、先がとがっていない丸い針を使って裏からコットンヤーンを2枚の布の間に引き入れながら詰めて立体的にモチーフを浮かび上がらせます。(この技法はBroderie en relief ブロドリー・アン・ルリエフと呼ばれている立体的な刺繍)こうすることによってコットンヤーンが詰まっている部分と詰まっていない部分ができ、ドラマチックな陰影ができます。
本物のブティかどうかの見分け方として光にかざした際に縫い目のラインが光を通さなくてはならいとか。
Broderie en relief のテクニックはいろいろな種類があるといわれています。よく混同されているのがPiqûre de Marseille(ピキュール・ド・マルセイユ)。技法はほぼ同じですがブティよりも繊細でvermiculé ヴェルミュキュレ(虫跡形装飾)と呼ばれ、虫が食い進めたような線によって柄が描かれています。17-8世紀の比較的古い作品(コルセットやビスチェなど)にこの技法が使われています。
一度は輸入制限などにより途絶えてしまった技法ですが、18世紀後半に伝統を守ろうと南フランスの女性たちによって再びブティをよみがえらせました。
ブティに関してフランスのTVでも紹介されています。
自分もboutisについて調べたりしてるうちに興味がわいてきました。作業は細かく大変そうですがとても素敵じゃないですか?紹介されていたCalvissonまで家から車で一時間。是非一度レッスンを受けてみたいです!
ブティ教室体験の記事はこちら
投稿者プロフィール

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海外在住歴20数年、23歳の時単身渡仏、留学を経てクラブメッドでGOとして世界中を転々とする。
フレンチポリネシア領タヒチ、ボラボラ島で今の旦那と知り合う。
同島でホテルスタッフとして働いた後、旦那の仕事の都合でカリブ、モロッコ、モーリシャスに在住。もう移動は嫌だ!とフランスに住むことに決めたものの、サボア地方、ブルターニュ地方を渡り歩き現在プロバンス在住。神戸出身のママライター。趣味は筋トレ、お菓子作り、手芸、物作り。
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