デモ行進とストライキはフランス名物のようなものですが、ここ最近は新しい労働基準法に反対するデモ、ストが過激化して生活にいろいろと支障が出ています。
オイルショック到来?!ガソリン求めて車が長蛇の列
まずはこの地図を見てください。この地図は全国のガソリンスタンドのストック状況がわかる、というもの。すでにガソリンがまったく無いスタンドには×印がついています。
引用:https://mon-essence.fr/blog/2016/05/19/penurie-de-carburant/
私が住んでいるロワール地方ナント周辺を拡大してみます。
×印がついてないスタンドでも、ガソリンの種類によって在庫切れしていたり、1人につき何リットルまでと制限が設けられていたりします。
えっと・・・ガソリンスタンドに車の長蛇の列ができてるのって、ちょっと終末世界のようで恐ろしかったですよ。
このガソリン不足の原因は、デモ隊が道路を封鎖して、ガソリンの給油車をブロックしているから。めちゃくちゃ迷惑ですし、一般人の生活に支障を与えてますよね。
車がだめなら電車でと思ったら、先週はSNCF(フランス国鉄)のストライキで電車の本数が半減していたり、油断もすきもありません。
なんでこんな反対されてるの?新・労働基準法
政治家だってなにも「国民を困らせてやろう」と思っているわけではなく、長引く不況や高い失業率など、どんより停滞したフランス経済に活気を取り戻すために考えに考えて、そしてできたのがこの新・労働基準法。
これによって労働力をフレキシブルに使い、ダイナミックに生産性を伸ばせるのですが、労働者の側から見ると、この新・労働基準法は企業経営者に都合の良い要素がいっぱい。ものすごくザックリまとめると、残業しやすくて病欠しにくくて解雇されやすくなるようです。ブラックだ・・・。
まぁ、日本人からすると、フランスの労働者は保護されすぎているようにも見えるので、新・労働基準法の内容の是非についてはここではおいといて。
なにがショックかって、フランソワ・オランド大統領の現政権はParti Socialiste(社会党)、つまり左派であるにもかかわらず、大企業寄りの法案を強行採決したこと。また、その強行採決時に使われたL’article 49.3が独裁につながりかねないことが、『民主主義』と『人権』の国フランスの価値観を揺さぶる大事と国民に受け取られたわけです。
ナントの街は、デモ隊と警察が衝突して暴力沙汰になったり、商店の窓ガラスが割られたり。
なんだか、「民主主義を守る」なんて大義名分のもとで日ごろの鬱憤を晴らしているようなデモ参加者もいて不穏な気配を感じます。そんなデモ参加者と殴ったり、殴られたりしてる警察の人たちも、犠牲者のように見えます。
フランス的価値観と経済効率が両立する方法は無いんでしょうか?フランスで生きていく1人として、けっして他人事ではない問題です。
投稿者プロフィール

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フランス語・英語通訳案内士。
合計7年間のフランス滞在で、ワーホリ、語学留学、学部留学、美術館でスタージュ、修士号取得、フランス人とPACSなど様々な経験をする。2017年日本に完全帰国し、大阪市在住。得意分野は観光、文化芸術分野。旅と美術館巡りを愛する。そんなダリアの日常ブログはこちら。
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